
優秀だと思っていた人がやめていく…。
どうして?
自分も何か考えておいた方がいい?
こんな疑問をお持ちの方に記事を書きました。
県庁で14年勤務しながら見てきた経験を踏まえてお伝えします。
・えっ、あの人がやめるの!?
・あー、あの人もやめちゃうのか…
私も優秀だと思う人が「やめる」と聞く度に思っていました。
「優秀な人ほど公務員をやめていく」
よく聞くフレーズだと思います。
決して優秀ではありませんが、私も30代後半で退職しました。
なので、退職するまでの心境はわかります。
傾向として、優秀な人は公務員をやめることへのハードルが低いです。
公務員を退職してもやっていける能力やマインドがあるからですね。
強く主張したいのは、やめていく人達の考えや行動を参考にして、誰でも備えておくべきだということ。
なぜなら、働いていくうちにあなた自身の考え方や周りの環境は変わるから。
詳しく解説していきます。
公務員をやめる優秀な人の特徴

優秀さは、職場や業務内容によって変わるので、明確に定義するのは難しいです。
が、特徴として以下のいくつかに間違いなく当てはまります。
- 事務処理能力が高い
- 主体性・責任感がある
- コミュニケーション能力が高い
- 改善・工夫する意識が高い
- 視野が広く、成長意欲が高い
それぞれ見ていきましょう。
事務処理能力が高い
優秀な人は事務処理能力が高いです。
高い論理的思考力と文章力で、的確に資料を作成します。
優秀な人の起案文書や作成資料は、修正点が少ないですね。
また、根拠資料を調査して集めたり、数値を算出するのも早いです。
主体性・責任感がある
責任感を持って、主体的に仕事に取り組みます。
問題や懸念点があれば、放置せずに上司に相談しながら、計画的に業務を進めていきます。
その人にまかせておけば、大丈夫という安心感がありますね。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力が高い人は、傾聴力、説明力、交渉力があります。
住民にわかりやすく説明したり、組織内で上司に説明するのが上手です。
性格も明るく、職員や上司から好意を持たれやすいのも特徴ですね。
改善・工夫する意識が高い
業務で感じた課題に対して、改善したり効率化に取り組むことができます。
公務員の世界は前例踏襲が多いですが、今後のことも考えて、様式や仕組みを変えるなど、仕事をラクにしてくれます。
また、うまくいかなかった経験は、次の改善点につなげます。
視野が広く、成長意欲が高い
業務内外を問わず、学びながら成長しようとする意識が高いです。
情報収集に努め、業務外であっても趣味、ボランティア、自己啓発活動など行動しています。

あの人だなと、頭に何人か思い浮かびますよね。
優秀な人が公務員をやめる理由

優秀な人が公務員をやめる理由は、明確に1つの人もいれば、いくつかの理由が重なって決断する人もいます。
傾向として、公務員独特の文化や構造に起因することが多いです。
主なものは以下の5つ。
- 成果が出しづらい環境
- やりがいと成長機会の少なさ
- 自分の市場価値と将来への不安
- 給与・待遇への不満
- やりたいことが見つかる
それぞれ解説します。
成果が出しづらい環境
制限されたことしかできない環境は、仕事で成果を出したい人ほどストレスを感じます。
公務員の世界は前例踏襲が基本で、新しいことにチャレンジしづらいです。
税収が財源の行政にとって、失敗は許されず、トライ&エラーの手法はとれない。
さらに、市民に説明できる理屈も必要になる。
できることはかなり制限され、成果に直結する対策でないこともあります。
やりがいと成長機会の少なさ
成長意欲の高い人は、もっと知識と経験を積んで能力を高めたいと感じます。
特に若手は、事業の企画に携わって、業務を進めていく機会はほとんどありません。
多くの業務が、前例踏襲のルーティンです。
・外部からの申請対応
・国・県・他機関からの調査依頼対応
・毎年恒例の会議の準備・調整
自分の裁量でできることは本当に限られています。
自分の市場価値と将来への不安
優秀な人は、リスク管理の面でもスキルアップしながら自分の市場価値を高めておくことを考えます。
世の中の変化の速さや将来の不確実性をいち早くキャッチしているからですね。
・AIの進歩による労働環境の変化
・医療技術の発展による健康寿命の変化
・人口減少による社会制度の変化
将来の公務員の安定性や老後の年金など、現在の常識がそのまま続くことはありえません。
人生の戦略やリスク管理は重要になってきます。
給与・待遇への不満
優秀な人ほど、給与や待遇に不満がたまる構造です。
公務員の世界は年功序列。
若手はどんなに優秀で成果を上げても、ほとんど昇進や給与に反映されません。
しかし、優秀な人に仕事はどんどん集まる。
忙しい所属ばかり、異動になる。
加えて、公務員は人手不足なので、業務量はどんどん増えています。
不満がたまってしまうのは仕方ありません。
やりたいことが見つかる
行動力のある優秀な人ほど、自分のやりたいことを見つけやすいです。
常に外の情報に目を向けて、動いて経験を積んでいるため、多くの選択肢や可能性に気づくことができるからですね。
例えば、休日や勤務時間後に活動している人は、その活動に関連した分野に転職したり、経験を活かして新しいことを始めたりします。

私は自分の市場価値と将来の不安が大きかったですね。
約30年後に退職して苦労するより、今から行動しておこうと思いました。
優秀な人が公務員をやめたとき参考にすべきこと

優秀な人がやめたことを他人事として見るのではなく、あなたも行動すべきです。
すぐに退職に動くとかではないですよ!
ただ、あなたの価値観や周りの状況は変わる可能性があります。
というか、変わります。
私だって、5年前は退職なんて1ミリも考えてなかったですから。
家族ができて、環境が変わって、価値観が変わっていきました。
備えておけば、対応できる選択肢を持っていることで、心に余裕ができます。
行動に移すべきは3つです。
- 目の前の仕事で成果を出す
- 転職について考えてみる
- 自己投資する
目の前の仕事で成果を出す
優秀な人のように、公務員のときから成果(実績)を出していくべきです。
業務の延長でできる、一番取り組みやすいことです。
「とりあえず仕事をこなす」ではなく、「どうすればより良くできるか」考えて仕事をする。
これは民間でも高く評価される考え方です。
成果を出す姿勢がある人は、民間やフリーランスの場で十分に活躍できます。
仕事で結果を出していき、公務員の枠の外でも評価される力をつけることは、大きな備えになります。
転職について考えてみる
転職の選択肢を頭の片隅に置いておくことも大事です。
すぐに転職活動を始める必要はありません。
・興味のある職種の特徴
・必要なスキル
・年齢による制限
・自分の市場価値
これらを認識することで、刺激を受けることはあります。
私も調べてみたら、転職に有利な年齢を過ぎていることを把握して、焦って行動につなげました。
そこで受けた刺激をモチベーションに、次の行動につながることもある。
最初は興味本位で構いません。
気軽に情報収集してみてください。
自己投資する
自分の興味のある分野の勉強をして、スキルアップしておくことも有効です。
優秀な人は、業務時間外を有効に使って自己投資しています。
武器は1つでも多く持っていて損をすることはないですよね。
1日30分の自己投資でも、1年間続ければ180時間を積み上げたスキルになりますよ。
武器が増えれば、公務員の仕事にそのまま活かせるものもあります。
まとめ:何もしないが一番リスクが大きい
本記事の内容を要約します。
この記事を読んでいただいているあなたは、少なからず公務員の現状に不満があったり、将来への不安があると思います。
私自身、モヤモヤした期間が続き、退職まで5年かかりました。
退職という決断をしなくても、意識を変えて行動していけばモヤモヤが晴れますよ。
小さなことから、動いていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。